2世帯3世代住宅の計画である。京都の小さな商店街に面した間口3.3間程のいわゆるウナギの寝床だが反対側も細路地に接道しているため比較的2世帯住宅にはお誂え向きの敷地だった。求められたのは建物の通風、世帯別の利便性、そして何よりもたくさんの個室と倉庫をこの敷地に入れ込まなければならなかった。導き出したのは、階段吹抜けを中央に配し、3層で7段のレベルを構成するスキップフロア案である。これにより多くの個室群を3層で確保し、且つ世帯分離を容易にする事ができる。屋根まで貫く吹き抜けの煙突効果で各レベルを効率よく通風、換気する事も可能であり、両隣地を建物で挟まれた長細い敷地で、建物の位置による居住環境のムラが出来ないように計画した。